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坂 口 記 念 館 (2002年春夏号)                                             



皆さんは坂口謹一郎という新潟県出身の偉人を知っていますか?
元東大名誉教授で別名「酒の博士」。
今でいうバイオテクノロジーの分野の草分け的な存在で、発酵学、微生物学、農学博士として数々の業績を残され、世界的にも評価の高かった人だそうです。
日本酒はもちろんのことアルコール全般に関してかなりの影響力を持っていて、例えばサントリーが初めて国産のワインを始めるとき鳥井社長がわざわざ坂口氏に教えを伺いに訪れ、上越の川上氏と共に日本初の国産ワイン生産のきっかけを作ったりもしたそうな。

素顔の坂口氏は酒と人と詩と雪椿が大好きだったそうで、囲炉裏を囲んで大勢の人と酒を酌み交わしながら話をすることが楽しみだったようです。
私は会ったことがないので(九十六歳で生涯を全うされた)坂口氏については直接はわかりませんが、実は頸城村(現上越市)に「坂口記念館」という所があり、そこで坂口氏の語り部のSさんから思い出話を聞いたり、展示してある資料を見たりして
「へぇー、坂口さんってこんなに偉い人だったんだ」と知りました。

「坂口記念館」。そこはとても心が落ち着ける所で、楽縫庵という旧家や坂口氏の愛した雪椿の庭園、昔の酒造り道具や色々な資料、そして聞けば色々な話を聞かせて下さる暖かい人々がいます。
日本酒に興味がなくても、雰囲気がいいので多分楽しめると思うなぁ。
でも酒屋の私はやっぱり日本酒のことに目が行き、坂口氏の
「世界の明日の酒、日本酒」
と言う言葉に感動しちゃいました。
皆さんが何げなく口にされてる日本酒は世界に誇れる技術で造られたものであり、日本人が生みだしたもの。そしてもしかしたら〃もの〃を超えた何かが世界の明日を変えて行くと坂口氏は伝えたかったのかも…。


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