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決 め た 酒(1997年初春号)                                             

   
  
先日ある雑誌で「かの横山大観先生(戦前の日本画家)は飲む酒は必ず広島の酔心と決めていた。先生も不幸せな人だ。なぜって他にも色々美味しい酒があるのに知らずに死んでいくなんて。」
と、ある吟醸酒評論家のコラムが載っていました。
横山先生は本当に不幸せだったのでしょうか?
全国の色々なお酒を嗜むその評論家の人はとても幸せでしょう。でも、その価値観で人を決めつけるのはどうなんでしょうか。
もしかしたら横山先生は自分の気にいった物と末永く付き合う事で幸せを感じていたかもしれません。
どちらが良い悪いでなく人それぞれの価値観を理解しようとする事が大事だと思います。



    
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  ※後日、知ったのですが横山大観氏と広島の酒蔵「酔心」の社長さんは旧知の仲で、横山氏の飲む酒はすべて酔心の社長さんが無償で提供されていたそうです。横山氏は感謝の気持ちとして自分の書いた絵を送りそれがたまりにたまり、酔心酒造で横山大観記念館が出来たそうです。
物と末永く付き合うどころか‘人’との末永いお付き合いだったんですね。なおさら心和む話となりました。