ローマの休日?(1997年夏号)
私事で恐縮なのですが私達初めてヨーロッパの地を踏んでしまいました。
行き先はローマとパリ。不思議なもので日本酒党の私も毎日毎日、赤ワインばかり飲んでいました。(またこれがとても美味しくて別名酔いどれツアーとも言いました。)
ローマに滞在した三日間ずーっとガイドをしてくれたのがイタリア人男性ファビオさん。この方が変てこな関西弁を使う吉本芸人のような人でしたが気さくで素敵で、そして心優しい方でした。
ポンペイに向かうバスの中でファビオさんは自分の生い立ち、イタリアという国の光と影について語ってくれました。
イタリアという国は子供の窃盗団がいるほどの、とても治安の悪い国ですが、なぜそうなってしまうのかコンコンと喋ってくれましたが、涙が出るくらい切ない話でした。
ちょっとここでは書けませんが、イタリアではいくら勉強をしても、頑張っても、ある壁が立ちはだかることがあるそうです。
その壁を乗り越えるには相当の覚悟がいるそうです。
ファビオさんも一生懸命勉強して、大学入って政治の世界を目指したこともあったそうですが、色々な理由で断念せざるをえませんでした。
で、今はガイドをやっているのですが自分はまだ運のいい方で、収入を得ることのできない可哀想な境遇をおくっている人達がゴマンといるそうです。
治安が悪い=国民性が悪いと単純に考えるのではなく、そうなる理由があることを知り少しばかり考えさせられてしまいました。
最後にイタリアの良心のようなファビオさんの思い出の言葉。初日のツアー終了後、私達がスペイン広場を歩いていると、後ろから「新婚さ〜ん」振り向くと「カフェグレコ行かな〜い」とニコニコしたファビオさんの顔。
私達がケンカしていると「ケンカしたらあかん。ほら近寄って、近寄って」
とちょっと厳しいファビオさんの顔。
ファビオさんに出会えてイタリアが大好きになりました。
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