O さ ん (1999年冬号)
Oさん次女Nちゃん画
先日、新潟市に住んでおられる女性Oさんからお手紙を頂きました。
Oさんは教育関係の仕事をしておられる方で、燕市に出張の際にはいつも同僚のMさんと一緒に店に遊びに来て下さった江戸っ子風チャキチャキ奥さん(出身は九州)で、会うたびバカ話で盛り上がりとても楽しい方でした。
来て下さったと過去形なのは、実はこの12月が燕に出張する最後の月だったのです。
11月に会った時に「アイバ屋さん、12月○○日って店に居られる?」と聞かれ、多分いますよと軽く答えたのですが(その時はその日が最後だとは知らずに)当日、丁度Oさん達が来店された時、急ぎの配達が入っており店がバタバタしてて、Oさんは気をつかってくらたのでしょう、「夕方また来ます」と言われました。
私は「すいません、夕方必ず店にいます」と伝えたのですが、今度はOさんが燕での仕事が長引いちゃって、「夕方行けなくなってしまいました」と電話がかかってきました。
すれ違いが続き、あ〜もう会えないかなと寂しくなっていたのですが、その日の夕方偶然にも燕駅前で信号待ちしていた私の車の横に、Oさん達の乗った車が並びOさんは満身の笑顔でクラクションをプップッーと。
赤信号の間だけお互い車の窓を開けほんの少しだけ話ができました。
時間にしったらほんの数十秒だったのでしょうが、私の頭の中ではもっと長い時間に感じました。
そのOさんが、年末年始単身赴任で札幌に行かれていた旦那さんと三人のお嬢さん(この子達がまたとても可愛い美女三姉妹)と一家5人で家族水入らずの団欒を楽しまれたそうで、その時に飲んだ「米百俵しぼりたて」が凄く美味しくて、旦那さんも「何だこれは!」と、とても喜んで話がはずんだとの御礼のお手紙でした。
(それも家族団欒の写真三枚入りで、娘さんがアイバ屋さんに送ってと言ってくれたそうです)
家族との貴重な時間に、ほんの少しでもうちの酒が役立ってもらえたことは本当に嬉しい限りです。うちの嫁さんも手紙を読みウルウルしていました。
そのお手紙の最後にこんな言葉が書かれていました。
「世の中、あまり良い話ばかりではありませんが、こんな時こそ、人と人との触れ合いを大切に思い、育てていかなくてはいけないと思います。
それは家族でも、夫婦でも、友人とでも通じるものだと思います。『もちろん大切にしてるわよ』と返事が返ってきそうですが、それを相手に伝えてこそ、初めて確認し、感動し、触れ合いが成り立つと考えます。」
今、日本中が暗くなっていますが、Oさんの言われる通りだと思います。
そのOさんも8月にはご主人の転勤で新潟から離れる事となります。
人って出会えた嬉しさの分、別れは悲しいものです。
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