旧だっちもね通信 アーカイブス




病院での話 (2001年春夏号)                                             

※表紙で入院の話を事細かにお伝えした号の後記欄に載せたお話です。(絵は表紙で紹介した病院での風景) 

   
  
病院での話。
二人の方のちょっと心に残る話がありました。
一人はトイレとかをいつも綺麗にしてくれる掃除夫のKさん。
偶然ベランダで会い、二人してタバコを吸いながら色々と話をした時のこと
「おらぁ昔ケーキ屋やってたんだけど時代の流れで店をやめることになって今の仕事してんです。でもトイレ掃除なんてぇ仕事は人から見下されるし、虫ケラのように扱われることもよくあるんだよ。それでもこんな仕事でも「いつもご苦労様」とか「いつもありがとう」と暖かい言葉をかけてくれる人もいるんですよ。その人のためにも私はトイレをピッカピッカに磨こうと思うですよ」。

もう一人はトラック野郎のHくん。
「配送で会社とか問屋とか色々な所にもの持って行くんっすけど、みんな威張ってるんですよ。あっち持ってけこっち持って来いだのと。こっちだって人間なんですから、ほんの一言でいいんですよ「ありがとう」って言ってほしいっすよ。その一言でどれだけ救われるか」。

二人の‘本音’でした。
今、世の中で‘忘れがちだけど大事なこと’を言ってると思いません?


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