旧だっちもね通信 アーカイブス




利 き 酒 (2003年冬春号)                                             

(※文中に出てくる酒・久保田は現在はお付き合いがありません)

   
知っている人は知っていられると思いますが、うちでは常に選んだ酒蔵さんの本醸造タイプの利き酒をやっております。
利き酒と言っても、お客さんの舌を試すだとかそういうものでなく、基本的には酒を買いに来て下さったお客さんに味を確かめてもらって、納得してからお酒を買っていって頂きたいから。
もうひとつは、本醸造という〃造り〃が酒蔵さんの基本だと私達は考え、(そこから好みと価格に応じて純米酒がいいとか吟醸がいいとかはご自由に)微妙に性格の違うそれぞれの酒蔵さんの個性を楽しんで頂きたいから。
例えば、うちのお客さんが言ってたんだけど「米百俵って古武士のような骨のある酒だね」「それに対して東長は貴婦人のような優しさに満ちたお酒だね」「久保田って何か都会的な感じがするけど、米百俵は田舎の懐かしさを感じるよね」。皆さんほんと自由に楽しんでいます。
その中で、自分の好みにあった酒が見つかったなら、うちも嬉しいなという話です。

でも、本妻(酒の)は決めた方がいいですよ。うちの酒は六銘柄しかないけど、その中で見つかればそれでいいし、別の所で見つかったんであれば、それもまたよし。
本妻が決まれば、本妻に比べてこれはこう、あれはこうと比較がができるし、悪いこと言えば「ちょっと浮気してみようかな」と遊んで、もっと本妻の良さがわかるかもしれない(これは酒の話ですよ、酒)
酒に限らず、何事も基準(基本)が決まればそれに対しての応用もきくものです。
でも、利き酒をされる場合はもちろんアルコールを飲むわけですから、車で来られる時は、複数でちゃんと飲まない人を決めてから来て下さいね。

そして、利き酒はあくまで〃出会い〃であって、やっぱり時間をかけてじっくりと付き合ってみないと本当のところはわからなことが多いですから。
人と人との関係と一緒ですね。

戻   る