ミニMiniだっちもね通信
 
 
   2006 立秋号    
           
       ・甘口、辛口の不思議
   ・メリーチョコレートカムパニー
   ・
佐賀の農民作家山下惣一さんPART2
   ・
あるアメリカ人青年と日本の酒屋さんの会話
   





《甘口・辛口の不思議》


常々、不思議に思っていることがある。
みかんを食べた時、スイカを食べた時、
「甘くて、おいしいー!」とよく言う。
キャベツを食べた時や、野菜を食べた時も
「甘味があっておいしい」と言う。
決して「このみかん淡麗辛口でおいしい!」とは言わない。
ごはんだって「このごはん、さっぱりしていて食べやすい」とも決して言わない。
つまり、本来甘味のあるものはうまいのである。
でも、なぜか酒の世界は甘口(甘みがある)よりは辛口(さっぱり)の方がイメージが良い。
酒だって本来一緒なはずなのだが、甘口というと敬遠する酒通すらいる。
そうなったのは理由がある。
一時期(戦後の米不足から)酒は量をたくさん造るために大量の糖類を添加していた時代があった。その酒が当然甘い酒になり、甘口イコール悪い酒というイメージが出来上がり、それが今の今まで尾を引いている。
今の時代、良識ある酒蔵さんは日本酒に糖類なんて添加しない。
どんなに甘口の酒でも、コーヒーで言えばブラック(無糖)なのである。(安酒を除く)
それが意外と伝わってない。
私たち酒屋のせいかな?
まっ、とにかく酒は偏った先入観で良悪を決めるもので無く、色々なタイプがあるから面白くなる。

 



《メリーチョコレート・カムパニー》

先日、燕商工会議所の主催でメリーチョコレートカムパニー原社長さんの講演会を聞いてきました。
こういう社長さんが経済界にいられるんだと、とても嬉しくなりました。
いつか日本のチョコレートが本場フランス、ベルギーに肩を並べる時代が来るのかもしれません。
頑張れメリーチョコレートと思わず応援したくなりました。






佐賀の農民作家山下惣一さん PART2 


先月号で紹介した佐賀の農民作家、山下惣一氏の食育講演会(黒埼中PTA主催)でのおはなしPART2。
こわーい一言。
「安全」と「安心」は全く違う。
「安全」は数値とか科学的なもの。
「安心」は心の問題。
何も知らない、知ろうとしない人はいつも「安心」している。
ゾ〜。

 



あるアメリカ人青年と日本の酒屋さんの会話》

ある雑誌で「外国人が語る私は日本人のここが好き!」という特集をやっていました。
それによると、最近の日本人は変わったと言われる中、「正直」「誠実」「謙虚」「気遣い」「向上心」「清潔」などなど、昔から日本人の美徳とされているものが未だに外国人の人からみれば日本人の特徴だそうです。(今でも!)
日本に住んでいれば当たり前のように思える、習慣や行動でも、文化の違う国々の人から見れば驚きや感激、または理解に苦しむことばかりだと思います。
「なぜ日本人はそうするのか?」
という根本が理解できると納得しやすいようです。

以前、私の敬愛する酒屋さんでこんな事がありました。
アメリカ人の青年が日本酒に興味を持って、その酒屋さんに通っているうちに、ご主人を「お父さん」と呼べる程親しくなり、でもひとつわからない事があり質問しました。
「越乃寒梅はあんなに人気があるのに、なんでお父さんは安売りするんだ?」と。
そのアメリカ青年は寒梅を定価で売っていることを「安売り」と受け取ったようで、なぜならその商品に対するムードが良いなら、高く売るのは当たり前という常識で育ってきた訳だから不思議でならなかったそうです。
その酒屋さんは質問にこう答えました。
「日本人は信用を残して伝統を次の世代につなげるというこだわりがある。信用というのが大切で、それが日本の文化なんだよ」
「私は信用を残して死にたい」
アメリカ青年は最初は理解に苦しんだものの次第に「そうか、日本にはそういう文化があるのか」とわかってきてくれたそうです。
日本人とアメリカ人の只の会話ですが、私はこの話が大好きで、ただの酒屋のご主人が、まるで日本を代表するように誇りと自信を持って答えている姿がとても格好良く感じました。

 


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