ミニMiniだっちもね通信
 
 
   2006 立冬号    
           
       ・お燗で遊ぶ!
   ・オニヤンマがやって来た!
   ・前向きな本
   ・
幕末にロマンを賭けた男河井継之助を考えるー其の弐ー
   





《お燗で遊ぶ!》


日本酒の季節がやってきました。
ちょっとした肴で、お燗したお酒をチビリとやるあの快感は日本人ならではの楽しみのひとつですね。
お燗にも色々あって、
 個性的な「飛び切り燗」
 香りを楽しむ「熱燗」
 キリリとした「上燗」
 自然体の「ぬる燗」
 やわらかい「人肌燗」
 さりげない「日向燗」
ちなみに火を消した熱湯に少々、銚子を浮かせるだけで「日向燗」「人肌燗」が出来上がるし、長くつけておけば(3分〜5分)「ぬる燗」から「上燗」まで自由自在。
どれがいい、どれが悪いでなく、まして何度Cがいいとか難しいこと考えることなく、日本酒をより美味しく飲むための遊びのひとつとして気軽に楽しみましょう!
実は「燗上がり」のするお酒があるのです。

  ※燗上がり…お燗をするとみちがえる程、輝きを増す酒のこと

 



《オニヤンマがやって来た!》

いつも色々な方が店を訪れてくれて嬉しい限りですが、先日はなんとオニヤンマさんがご来店しました。
家中の者を呼び、自慢しましたが、私が一番興奮していたようで。
オニヤンマさんは一服した後、さっそうと飛び立って行きました。








《前向きな本



旧新津の本屋さんで、全国都道府県新聞社発行の本フェアが行われ、普段はあまりお目にかかれない地元色豊かな本の祭典があり行ってきました。
(新潟市のKさんから教えて頂きました)

実は私はお目当ての本がありました。
西日本新聞社出版の「食卓の向こう側」という本です。
この本はよくある食品業界の暴露本、様々な批判をして終わり本ではなく、客観的に淡々と食品業界の悲惨な現実を伝えながらも、だからこそ私たちが未来の子供たちのために何ができるのかを半歩先でいいから考え行動しようという前向きな本で好感が持てます。
特に小さい子を持つ親御さんは必見な本だと私は思いました。

 



幕末にロマンを賭けた男河井継之助を考えるー其の弐ー》

河井継之助は罪人か正義の人か?
地元長岡では未だに賛否両論が分かれるそうです。
河井を否定する人達は、河井という人間が自分の才覚におぼれすぎ、結局は身の丈を超えた戦い(北越戦争)の原因を作り、長岡や近隣の町を焦土とさせた張本人だと言います。

その一方、河井を知っている人が残した敬いの言い伝えや、数々の文人が河井という人間の生き様を書物にし、河井ほど素晴らしい人物はいないと賞賛されもしています。

歴史は複雑で見る角度によって様々な見方ができ、だからこそ後世に生きる私たちは、自分の人生に照らせ合わせ、その人それぞれが好きなように学べるのだと思います。

河井という42歳で戦死した人物は、根本として揺るぎない芯を持っていたそうです。
それは自身が長岡藩で生まれ、成長させてもらって、その長岡藩の殿様に対しての忠義だけはどんなことがあっても変えられないという確固たるもの。
幕末の志士たちが日本の未来を志し、脱藩や工作、尊王攘夷論が流行している時も(知っていたし本質も見抜いていた)長岡藩を良くすることだけを考え、そのために生まれてきているとさえ悟っていたそうです。
小説「峠」の一場面で、福沢諭吉が「あなた程の人がなぜ、そんな小さなものにこだわる?」
と疑問を抱き、河井は「それぞれの立場が違う」と自分の生き方を貫く場面がありました。
司馬氏の創作ではありますが、なぜか現実味がある話です。

そこにこだわらなければ、戦争にはならなかったという見方もありますが、それはまた別の話で、時世の流れ(官軍は戦争を望んでいた)として見るべきだと思います。
これは現代でも言えるのですが、結果論で負けたから云々、勝ったから云々というものの見方をしなければ、河井が考えていたことは何か、伝えたかったことは何か、その生き様を探ることで、今私たちが失いつつある大事なものを見直させてくれるのではと私は思います。

 


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